リーバイスの日本法人が、アメリカ親会社の完全子会社になる可能性!上場廃止か? 株式公開買付開始のリリース!
2019年10月11日、リーバイ・ストラウス・アンド・カンパニー(ジーパンで有名なLevi’sのアメリカ法人)が、日本子会社(JASDAQ市場に上場しています)の株式を公開買付すると発表しました。このアメリカ法人は、日本法人の株式を既に83.67%保有している、筆頭株主です。
https://www.release.tdnet.info/inbs/140120191011407420.pdf
プレリリースにもある通り、米国親会社の方は、日本法人を完全子会社化する事を目的としております。もしこの公開買付で、米国法人が日本法人の株式を100%取得する事が出来れば、JASDAQに上場する日本法人の方は、上場廃止になるわけなんです。
〇そもそも日本法人を上場させていた理由は??
わざわざ金と手間をかけて日本の子会社を上場させていたにも関わらず、上場廃止にしてしまうのはなんででしょうか? 上場させておくメリットは、ご存知の通り、外部機関から信用力が上がり、資金調達や取引をしやすくなるからです。日本法人にそれを放棄させてしまうのかというと、そういうわけではありません。
実は米国法人は、つい最近まで非上場になっていました。
発展途上国の工場で、就労年齢に達していない児童達を働かせていた事が発覚したので、学校を作り、通わせることにしたみたいです。しかし、株主はその資金は株主に還元すべきだと主張したため、上場を止めたようです。
そうだったのですが、今年の三月にニューヨーク株式市場に再上場しています。
つまり、米国に親会社、日本に子会社が上場しているという状況だったんですね。
〇上場しておくのには、実はかなり大変なんです……
上場しておくの自体に手数料がかかりますし、それにコーポレートガバナンスを強化しなければなりません(たぶんそっちの方が費用としてはかなりかかるんですよね)。四半期ごとの開示も下資料含めて相当な作業量なんです。
今回の完全子会社化は、そういったコスト面を減らしたいという事と、事務作業の簡略化を目的としているようです。
米国親会社がニューヨーク株式市場に再上場した事で、資金調達が容易になりますし、完全子会社化だと、自由に資金移動が出来るので、もう日本で上場させておくメリットが薄くなったと考えたのでしょう。
〇そうは言うものの、子会社上場にそれなりのメリットもあります。
市場での評価に晒されているという事は、子会社の経営層は、企業そのものの価値の向上に強く関心をもつでしょうし、経営に対しての自立性がある程度確保される状態なら、その会社の置かれた状況でベストを尽くそうとするでしょう。
そして、親会社が資金不足になると、キャッシュが容赦なく吸い上げられ、余裕の無い状態で経営しなければならなくなったり……(リーバイス程の会社だったらそんなに計画性の無い事はしないと思われますがw)。とにかく、少数株主への遠慮が無くなる分、やり辛さは出て来るかもしれませんね。